girasole

Wednesday, July 19, 2006

言ったもん勝ち

皆さんはじめまして。こんにちは。
さとこといいます。

パシフィック・ゲートウェイのシドニー校で働いています。
オーストラリアに住んでから5ヶ月が経ったのですが、こちらの生活に慣れたのかどうなのか、未だによく分かりません。
長期の海外生活が初めてなもので、今でこそアパートに1人で住み、銀行口座や携帯も持って、お給料も毎月もらって現地の人に同化しているように見えますが、なんとなくまだ新参者の感覚です。おそらくまだ自分を適応させている最中のせいだと思います。

さて、異文化コミュニケーションに興味のある皆さんがこのGLSのサイトにアクセスしているかと思いますが、私が最近経験した
異文化体験を披露したいと思います。といっても大した話ではないかもしれませんが。

私は先々週の水曜日、オーストラリア人のダレン・ヘイズという人のコンサートを観にオペラハウスまで行って来ました。元々サベージガーデンというデュオを90年代に結成していた人で、今はソロで活動しています。サベージ・・・時代は世界で2000万枚もCDを売り上げたにも関わらず、意外と身近にファンの人がいないので、1人で行って来ました。

私が予約していた席は1階席の40列目、左はしっこ。予約したのがぎりぎりだったから仕方ないかと思いましたが、開演前に座ってみると、左前に陣取ったカメラマンが私の視界を邪魔しているではありませんか。どうしようと少し悩みましたが、係の人に「あのカメラマンの人にずれてもらうのではできないでしょうか」と聞いてみると、「それは難しいけど、チケット売り場に行けば空いている席に替えてもらえるかもしれないよ」とのこと。早速売り場に行って聞いてみると、今度はそこの係の人が「2階席の○列目なら空いていますが・・・2階席といっても1階と同じ値段ですし・・・もし気に入らなければ返金もできます」とかなり納得のいかない返事。

そこで私は粘りました。「2階席ねえ・・・そんな場所を見もしないで決められないですよ。返金もいらないし。どちらも嫌です。」するとその担当の人がマネージャーのような人に掛け合ってくれ、「ではこの非常用にとっておいたチケットをあげますから、これで納得してもらいましょう。1階席の16列目の真ん中です。最初の場所よりずっといい場所ですよ。」と。にこにこしながら「もってけドロボー」的な嬉しい答えでした。さすが天下のオペラハウス!おかげで私は少し得しちゃいました。ダレンの歌声も最高。CDよりやっぱり上手いな~、来て良かったな~と思いました。開演前に我慢して元の席に座っていたらおそらくこんな思いにはなれなかったでしょう。

この経験は、「だめもとでもいいから聞いてみよう。要求を言ってみよう。」というこの国の鉄則みたいのを実感する出来事となりました。失礼な言い方さえしなければ、とりあえず耳を貸す、ということもこの国の聞く側の常識にもなっているかもしれないです。言わなきゃ通用しない、そこは日本人として苦労するところですが、言ったら聞いてもらえる、そんな可能性をもっと利用すべきなんでしょうね。

徐々にではあるけど、そんな感覚に慣れていけばオーストラリアの住人、って実感できるのかなーなんて思います。